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ふるさと納税は年末調整でできる?会社への提出は不要
この記事の目次(6項目)
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結論
本記事は2026年9月21日時点の情報です。
- ふるさと納税の手続きを年末調整で済ませることはできません。 勤務先に寄附金受領証明書を提出する必要もありません。
- 理由は、寄附金控除を年末調整で処理するための規定が、所得税法にも租税特別措置法にも置かれていないためです。年末調整で精算する控除を定める所得税法第190条第2号にも、寄附金控除は含まれていません。
- 代わりに使うのは、ワンストップ特例(寄付先が5団体以内で確定申告が不要な人)か、確定申告のどちらかです。
- 11月に会社から配られる「保険料控除申告書」等にふるさと納税を書く欄はありません。書く場所が見つからないのは、制度上そもそも対象外だからです。
※本記事は法令・省庁の公表資料をもとにした一般的な制度解説です。個別の税務判断は税理士・税務署・お住まいの自治体にご確認ください。制度の運用は自治体ごとに異なります。
なぜ年末調整ではできないのか
年末調整は、給与から源泉徴収した所得税の過不足を勤務先が精算する手続きです。所得税法第190条が根拠になっています。
同条第2号は、精算にあたって給与所得控除後の金額から差し引く控除を、イからヘまで具体的に列挙しています(所得税法第190条第2号・2026年9月21日にe-Gov法令検索で条文を確認)。
| 号 | 列挙されている控除 |
|---|---|
| イ | 給与から天引きされる社会保険料、小規模企業共済等掛金 |
| ロ | 申告書に記載した社会保険料・小規模企業共済等掛金、生命保険料、地震保険料 |
| ハ | 障害者控除、寡婦控除、ひとり親控除、勤労学生控除、扶養控除 |
| ニ | 配偶者控除、配偶者特別控除 |
| ホ | 特定親族特別控除 |
| ヘ | 基礎控除 |
ふるさと納税が該当する寄附金控除(同法第78条)は、この列挙に含まれていません。
ただし、「所得税法第190条第2号に無い控除はすべて年末調整できない」わけではありません。住宅ローン控除(住宅借入金等特別控除)の2年目以降は、租税特別措置法第41条の2の2「年末調整に係る住宅借入金等を有する場合の所得税額の特別控除」という別の条文によって年末調整で処理できます。
正確に言うと、寄附金控除については、所得税法にも租税特別措置法にも年末調整で処理するための規定が置かれていないため、年末調整の対象外になります。医療費控除や雑損控除も同じ扱いです。
では、いつ何をすればよいのか
寄付をした年の年末調整とは切り離して、翌年に向けた手続きを考えます。選択肢は2つです。
ワンストップ特例を使う場合
確定申告をする必要がない給与所得者などで、寄付先が5団体以内であれば使えます。地方税法附則第7条第2項は、申告特例の求めを行う自治体の数が「五以下であると見込まれる場合に限り」行うことができると定めています(地方税法附則第7条第2項)。
提出先は勤務先ではなく、寄付をした自治体です。ここが年末調整との最大の違いになります。期限や2027年1月の注意点はワンストップ特例の1月10日とは?で詳しく扱っています。
確定申告をする場合
ワンストップ特例が使えない場合、または医療費控除など他の理由で確定申告をする場合は、ふるさと納税も確定申告に含めます。2026年分の申告期間は2027年2月16日から3月15日までです(所得税法第120条第1項が定める「第三期」)。
手順はふるさと納税の確定申告のやり方にまとめています。
混同しやすいケース
住宅ローン控除の2年目以降と重なった年
住宅ローン控除の2年目以降は、前述のとおり年末調整で処理できます(租税特別措置法第41条の2の2)。この場合、住宅ローン控除のために確定申告をする必要はありません。
したがって、住宅ローン控除を年末調整で済ませ、ふるさと納税はワンストップ特例で処理するという組み合わせが取れます(寄付先が5団体以内で、他に確定申告の理由がない場合)。ふるさと納税の手続きが年末調整でできないことと、住宅ローン控除のために確定申告が必要かどうかは、別の話です。
住宅ローン控除の1年目と重なった年
住宅ローン控除(住宅借入金等特別控除)は、最初の年は確定申告が必要です。その年はふるさと納税もあわせて確定申告することになり、ワンストップ特例を申請していた場合でも申請はなかったものとみなされます(地方税法附則第7条第6項第2号)。
なお、住宅ローン控除とふるさと納税を併用したときに控除の上限がどうなるかは、所得や控除の内訳によって結果が変わります。当サイトでは一次情報にもとづく一般的な数値例を示せないため、個別の試算は税務署または税理士にご確認ください。
医療費控除を申告する年
同じ構造です。医療費控除のために確定申告をするなら、ふるさと納税も確定申告に含めます。ワンストップ特例を先に申請していても、確定申告をした時点で無効になります。
副業や給与以外の所得がある年
確定申告が必要になるため、ワンストップ特例の対象外です。ふるさと納税分も申告に含めます。
よくある質問
Q. 勤務先に寄附金受領証明書を提出する必要はありますか?
A. ありません。寄附金受領証明書は、確定申告をする場合に自分で使う書類です。ワンストップ特例を使う場合は、申請書を寄付先の自治体へ送ります。
Q. 年末調整の書類に「ふるさと納税」の欄が見つかりません。
A. 欄自体が存在しません。前述のとおり、寄附金控除を年末調整で処理する規定が置かれておらず、対象外だからです。
Q. 年末調整をしたあとでも、ふるさと納税はできますか?
A. できます。年末調整と寄付の時期は無関係です。控除の対象になるのは、その年の1月1日から12月31日までに支出した寄付です。所得税法第78条第1項は控除の対象を「その年中に支出した特定寄附金の額の合計額」と定めています。年内の締切については年内の寄付締切は決済方法で変わるをご覧ください。
Q. 住民税はいつから安くなりますか?
A. 2026年に寄付した分は2027年度の住民税に反映されます。給与から天引き(特別徴収)される場合、地方税法第321条の5第1項により6月から翌年5月までの各月で徴収されるため、2027年6月から2028年5月にかけて反映されます。確認方法は控除の確認方法をご覧ください。
まとめ
ふるさと納税は年末調整では手続きできません。寄附金控除を年末調整で処理するための規定が、所得税法にも租税特別措置法にも置かれていないためです。勤務先へ出す書類もありません。
やるべきことは、寄付先が5団体以内で確定申告が不要ならワンストップ特例、それ以外は確定申告です。どちらも寄付をした年ではなく、その翌年に向けた手続きになります。
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※本記事は一般的な制度情報の提供であり、個別の税務判断については税理士またはお住まいの自治体にご確認ください。