はじめてガイド 読了目安 約9分
ワンストップ特例の申請書の書き方とチェック欄2つ
この記事の目次(8項目)
寄付前に上限額を30秒でチェック
年収・家族構成を入れるだけで、自己負担が増えない寄付上限額の目安がわかります。
結論
- 申請書に書くのは、氏名・住所・生年月日/寄付金の額/2つの要件に該当する旨です。法律が求める記載事項は地方税法附則第7条第3項に定められています。
- 迷いやすいのはチェック欄が2つあること。「確定申告をする必要がない人である」「寄付先が5団体以内である」の2つで、どちらもチェックが必要です。
- 提出先は勤務先ではなく、寄付をした自治体ごとです。地方税法附則第7条第1項は、申告特例の求めを「特例控除対象寄附金を支出する際」に行うものとしています。同じ自治体に2回寄付したら、申請書も2回出します。
- 申請書にはマイナンバーを確認する書類と本人確認の書類を添えます。組み合わせを間違えると差し戻されます。
- 様式は自治体によって異なることがあります。 総務省も「ふるさと納税先の自治体によって、申請書が異なることがあります」と案内しています(総務省・2026年9月21日確認)。寄付先から届いた様式を使ってください。
本記事は2026年9月21日時点の情報です。
※本記事は法令・省庁の公表資料をもとにした一般的な制度解説です。個別の税務判断は税理士・税務署・お住まいの自治体にご確認ください。制度の運用は自治体ごとに異なります。
申請書に書く項目は、法律で決まっている
ワンストップ特例の申請は、正式には「申告特例の求め」といいます。地方税法附則第7条第3項は、この求めを「次に掲げる事項を記載した申請書により行わなければならない」として、記載事項を5つ挙げています(2026年9月21日にe-Gov法令検索で条文を確認)。
| 号 | 条文の記載事項 | 申請書での欄 |
|---|---|---|
| 第1号 | 当該申告特例の求めを行う者の氏名、住所及び生年月日 | 氏名・住所・生年月日 |
| 第2号 | 当該申告特例の求めを行う者が申告特例対象寄附者である旨 | 「確定申告をする必要がない」チェック欄 |
| 第3号 | 当該申告特例の求めに係る特例控除対象寄附金の額 | 寄付金額 |
| 第4号 | 前項に規定する要件に該当する旨 | 「5団体以内」チェック欄 |
| 第5号 | その他総務省令で定める事項 | 総務省令で定める事項(様式に従う) |
つまり、申請書の様式が自治体ごとに少し違っても、書く中身は法律で決まっているということです。
つまずきやすい2つのチェック欄
第2号と第4号が、実際の申請書では並んだチェック欄になっています。片方だけチェックして出してしまうのが典型的な失敗です。
チェック1: 確定申告をする必要がない人であること(第2号)
条文上の「申告特例対象寄附者」は、附則第7条第1項に定義があり、要約すると所得税の確定申告をする義務がないと見込まれる人などを指します。
具体的には、会社員・公務員で年末調整だけで課税関係が終わる人が該当します。逆に、次のような人は該当しません。
- 医療費控除を受けるために確定申告をする人
- 住宅ローン控除の1年目の人(2年目以降は年末調整で処理できるため、他に理由がなければ該当します)
- 副業などで給与以外の所得があり申告が必要な人
- 給与の年間収入金額が2,000万円を超える人
- 給与を1か所から受けていて、給与所得・退職所得以外の所得の合計額が20万円を超える人
- 給与を2か所以上から受けていて、年末調整されなかった給与の収入金額と、給与所得・退職所得以外の所得との合計額が20万円を超える人
要件の詳細は国税庁No.1900 給与所得者で確定申告が必要な人(2026年9月21日確認)でご確認ください。なお、所得税の確定申告が不要な場合でも、住民税の申告が別途必要になることがあります(お住まいの自治体にご確認ください)。
判断に迷ったら、その年に確定申告をする予定があるかどうかで考えてください。確定申告をするなら、ワンストップ特例ではなく確定申告にふるさと納税を含めます(確定申告のやり方)。
チェック2: 寄付先が5団体以内であること(第4号)
附則第7条第2項は、申告特例の求めを行える場合を、その年に申告特例の求めを行う自治体の数が「五以下であると見込まれる場合に限り」としています。
数えるのは自治体の数であって、寄付の回数ではありません。同じ自治体に3回寄付しても1団体です。ただし、申請書は寄付1回ごとに提出します。ここは分けて考えてください。
結果として5団体を超えた場合(=6団体以上になった場合)、同条第6項第3号により、申告特例の求めはなかったものとみなされます。条文は「申告特例通知書を送付した都道府県知事等の数が五を超えたとき」と書いています。その年は確定申告をすることになります。
添付する本人確認書類
申請書には、マイナンバーを確認するための書類と、本人であることを確認するための書類を添えるのが一般的です。ただし、どの書類をどう組み合わせるかは寄付先の自治体が定めており、当サイトでは一律の取扱いを一次情報で確認できていません(確度: 中)。
マイナンバーカードを持っていれば1枚で両方を兼ねられる案内が多く、持っていない場合はマイナンバーを確認できる書類と、運転免許証などの本人確認書類を組み合わせる案内が一般的です。
身元確認について、運転免許証など顔写真付きの書類は1点でよい一方、顔写真のない書類は2点を求める案内も見られます。点数まで含めて自治体ごとに異なります。
なお「通知カード」は、令和2年5月25日以降は新規発行・再交付が行われていません(マイナンバーカード総合サイト・2026年9月21日確認)。手元にある通知カードが使えるかどうかも、自治体の案内で確認してください。
必要な書類と点数は、寄付先の自治体が同封してきた案内で最終確認してください。 自治体によって様式も必要書類も異なります。
不備があると自治体から連絡が来て、訂正して出し直すことになります。締切の直前に出すと、この訂正の時間が取れません。詳しくはワンストップ特例の1月10日とは?で扱っています。
出したあとに引っ越したら、別の書類が要る
申請書を出したあとに住所や氏名が変わった場合は、変更届出書を提出します。地方税法附則第7条第4項は、「当該申告特例の求めを行つた日から賦課期日までの間に」氏名・住所・生年月日に変更があったときは、「申告特例対象年の翌年の一月十日までに」届け出なければならないと定めています。
これを出さないと、自治体からの通知が古い住所の市区町村へ送られます。同条第6項第4号は、通知書を受け取った市町村長が賦課期日現在の住所地の市町村長と異なった場合について定めており、同項柱書は第4号に該当する場合の効果を「同号に係るものに限る」としています。つまり、その通知に係る寄付分についてワンストップ特例がなかったものとみなされます。年末年始に引っ越す予定のある人は注意してください。
オンラインで申請できる自治体もある
総務省は「令和4年中にされた寄附から、一部の自治体においてマイナンバーカードを利用したワンストップ特例のオンライン申請が可能となっています」と案内しています(総務省「ふるさと納税のしくみ・手続き」・2026年9月21日確認)。
一部の自治体に限られます。 対応しているかは寄付先の案内で確認してください。対応していれば、郵送の日数と書類のコピーが不要になります。
よくある質問
Q. 同じ自治体に5回寄付しました。申請書は何枚出しますか?
A. 5枚です。申請書は寄付ごとに提出します。一方、5団体以内という要件の数え方では1団体としてカウントします。
Q. 申請書に押印は必要ですか?
A. 自治体の様式によります。押印欄がある様式もあります。届いた申請書の記載に従ってください。
Q. 寄付した自治体から申請書が届きません。
A. 申し込み時に「ワンストップ特例の申請書を希望する」を選んでいないと送られてこない場合があります。多くの自治体は様式をウェブサイトで配布しています。寄付先の自治体にお問い合わせください。
Q. 申請書を出したあとに確定申告をしたらどうなりますか?
A. 先に出したワンストップ特例の申請は、なかったものとみなされます(地方税法附則第7条第6項第2号)。確定申告にふるさと納税分も必ず含めてください。
Q. 年末調整でふるさと納税の手続きはできますか?
A. できません(詳細)。申請書の提出先は勤務先ではなく、寄付をした自治体です。
まとめ
申請書に書く内容は地方税法附則第7条第3項で決まっており、様式が自治体ごとに違っても中身は同じです。間違えやすいのは2つのチェック欄と、本人確認書類の組み合わせ。どちらも不備があれば差し戻されます。
提出先は寄付をした自治体ごと、申請書は寄付1回につき1枚。出したあとに引っ越したら変更届出書が別途必要です。
寄付先を5団体以内に収めながら返礼品を選びたい方は、還元率ランキングで候補を比較してみてください。上限額の目安は寄付上限額シミュレーターで確認できます。
※本記事は一般的な制度情報の提供であり、個別の税務判断については税理士またはお住まいの自治体にご確認ください。